新型コロナウィルスに負けない未来を!
人間とウィルスとの戦いは続いていても、季節はそんなことにお構いなしに確実に巡っているようです。ただ、気候変動のせいで例年とは違う春のようにも思います。何しろ学校が休校になって生徒が登校していないので、時間の感覚、特に季節感が失われています。例年なら、オリエンテーション合宿で乗鞍の山に行って帰った後は、一気に春が進むように感じていたのですが、今年の春は、何となく桜の時期が過ぎ、何となくつつじが咲き始めている、気が付けばクスノキの新緑が目に入るというようにゆっくりとした季節の変化を感じています。
生徒と先生、あるいは先生同士は、いま、インターネットでつながっています。タブレット越しに先生や生徒に顔を合わせると、それはそれで、リアルな対面ではなくとも何かしら親近感がわいてきます。同じ困難に立ち向かう同志といった感覚でしょうか。
いま、現代の我々が経験したことのない未曽有の危機が訪れています。これまでの人生経験によって自分の中に蓄積してきた知見や多くの常識が役に立たなくなるのではないかと感じています。ついさっきまで繰り返されてきた日常が失われ、これまで当たり前だった自分の行動を厳しく見直さなければならない事態になったようです。これまで、さまざまな機会に「先の見通せない社会がくる」と言ってきましたが、こんなに突然に「悪い未来のきざし」を見ることになるとは思いませんでした。
そんなとき頼りにできるのは、やはり科学の力です。人と人が会うことができないというのが、私たちにとって物質的にも精神的にも大きな打撃になっていますが、今の私たちには、ICT:情報通信技術があります。生徒たちの手元には、iPadがあり、通信インフラが整備されています。このことで、どれだけ安心感を持ち続けることができているか、実際に自宅にロックアウトされているこの状態ではよくわかります。毎日、生徒同士、先生と生徒でネットを通じて会話ができることは、かけがえのない大事なことのように思います。そんな社会になったのだと実感します。
この苦難に耐え、アフターコロナの準備を始めなければなりません。若い生徒たちと共に。