2018ニュージーランド海外語学研修⑩
~現地レポートAugust 2~
今日は朝から遠足に出かけました。
前回はNZの自然にどっぷり浸りましたが、今回は文化に触れる旅です。羊の毛狩りショーを見学し、温泉地の美しい湖を訪ね、マオリ文化の粋であるハカを見物しました。まるまるウールに覆われた羊が、瞬く間にスリムになっていくのはなかなかの見ものです。この毛狩りショーは、大阪万博で初めてエンターテイメントとして確立されたという説があり、真偽のほどはともかくとして興味深いものです。
NZは日本と同じく環太平洋造山帯に属しており、火山や地震が多い国です。南島クライストチャーチの地震は記憶に新しいところでしょう。今日訪れたロトルアはそこかしこから湯気が上がっていて、硫黄の匂いが漂っています。聞けば、大分の別府と姉妹都市だとか。さもありなん、といったところでしょうか。確かめたわけではありませんが、町のそばにある美しい湖も火山湖かもしませんね。
生徒たちは今日も元気で、ともに参加した韓国からの留学生と仲良くなっていたり、ハカの儀式に積極的に参加したりと、とてもアクティブでした。引率の先生の英語もずいぶん理解できるようになっていて、ホストファミリーとの会話も弾んでいる様子がうかがえました。最初の頃を思えば格段の進歩です。
明日は最後の授業、そしてfarewell partyです。2週間の研修も終わりに近づいています。
Rotorua(ロトルア)への遠足。Te Arohaからは100㎞強。ここもマオリ語が由来の地名です。”roto”が”湖”、”rua”が”2番目の”。実際、北島では2番目の大きさの湖。修学旅行で行った洞爺湖とほぼ同じ大きさです。北海道のアイヌもそうですが、悠久の歴史を背景にする民族は自然ときわめて親密に、しかし畏敬の念をもって共生してきました。ロトルアの温泉、そして写真のロトルア湖、これらはマオリにとって生活の一部であると同時にその生活を守ってくれるおおいなる存在にほかなりません。
最後の写真、生徒が手にしている葉はシルバーファーン、シダの一種ですがニュージーランドの象徴となる植物です。国章であり、ラグビーのオールブラックスをはじめあらゆるスポーツのナショナルチームのロゴになっています。もちろん、その銀色に輝く植物をマオリは信仰の対象としてきました。こうした、自国のアイデンティティが先住民族の文化に寄り添っているところ、やはりニュージーランドは”豊かな”国と感じます。実際、幸福度の調査では世界でもベスト10に名を連ねる国です。
そして羊。日本で”ニュージーランド”のアイコンは? と聞けば多くの人が”羊!”と答えることと思います。生徒たちはAgrodome(アグロドーム)でたくさんの羊たちと対面してきました。 アグロドームは農業のテーマパークといった趣の施設。人気のファームショーでは20種類以上の羊が紹介されます。さまざまな条件でニュージーランドの羊は減っているそうですが、それでも数にして約3000万頭。人口が420万人ですから、やはり圧倒的です。日本の羊の数はといえば1万4000頭、まったく桁ちがいです。
先住民族と、その国のアイデンティティ。生徒たちが目にしているのは”文化”の姿です。ホストファミリーとの会話もふくめ、彼らはきっと”日本の文化は?”と考えていることと思います。その答えがなんであるかは、それぞれ。そして、それを考えることがまさしく異文化コミュニケーションの入り口。現地で感じたことを、これからたくさんの勉強をすることで自分のものにしていってほしいと思います。
→今年もニュージーランド語学研修に出かけました
→2018ニュージーランド海外語学研修①
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