令和2年度冬季サイエンスキャンプ(瑞浪編)Ichimura Science Camp
2020冬季サイエンスキャンプ(Science Camp)に行ってきました。
新型コロナウイルスの影響を受けて、伊豆大島(昨年の様子)で予定していた2泊3日のサイエンスキャンプを、岐阜県瑞浪市への日帰りハイクに変更して実施しました。

2020年12月26日、朝9時10分にJR瑞浪駅に集合した後、瑞浪市化石博物館のある瑞浪市民公園に向かいました。始めに、瑞浪市化石博物館入り口横にある「化石の地下壕」から見学します。かつて防空壕としても使われ、今は化石博物館の展示物の一つとなっています。地下壕の天井や壁を見ると貝殻をたくさん見ることができます。これを見たとき、岐阜県の山里にどうして海産の貝の化石があるかと多くの生徒が疑問を抱きました。その謎を調べるためにすぐ隣の化石博物館を見学しました。
化石博物館には明治時代に日本で初めて発掘された絶滅哺乳類(デスモスチルス)の化石や、1970年代に行われた中央自動車道工事で出土した化石を展示しています。デスモスチルスはいまで言う「カバ」の仲間に近く、水辺や水中で生活をしていたと考えられています。そのことから考えても、瑞浪市周辺はデスモスチルスが生きていた時代は水辺であったと考えられました。実は日本列島が形作られる前(1700万年前)は瑞浪市周辺は海となっていたそうです。




化石博物館のすぐ前にある小山の山はだには露出した地層(露頭)を観察することができます。多数の貝殻が砂岩の層に見ることができます。ノジュールとよばれる貝が砂地に作った巣跡の化石も観察できます。かつて海の底であったことを実感できます。





瑞浪市化石博物館周辺の山には多数の地下壕跡を見ることができます。これは第二次世界大戦末期に戦闘機工場を作るために掘られました。上空からの空襲を避けるために地下に工場を作る必要があったからです。しかし、工場建設中に戦争が終わり地下の巨大戦闘機工場は完成することはなかったそうです。その工場跡地に「地球回廊」という施設が建てたれました。地球が誕生した約46億年前から現代までを様々な展示物で学ぶことができます。残念ながら地下壕の老朽化で施設を維持管理することが難しくなったこともあり、2021年3月をもって閉館されることが決まっています。


瑞浪市化石博物館・地球回廊とも瑞浪市民公園内に立たれている施設の一部です。同公園内には、岐阜県先端科学技術体験センター(サイエンスワールド)もあり、小学校未就学児から高校生・大人までが最先端の科学を手軽に体験することができます。私たちが到着した時刻からはサイエンスショーが開催されており、約50分間の科学実験を体験することができました。「音や光の干渉」「液体窒素を用いた極低温の世界」「形状記憶合金」など約20種類の実験をみることができました。一部は実際にステージ上で体験しました。

瑞浪駅の近くに「瑞浪鉱物展示館」という国内外から集められた貴重な鉱物を展示している資料館があります。宝石として有名なダイヤモンドや石英(水晶)、ヒスイ・メノウ・黄鉄鉱・砂漠のバラなど貴重な鉱物を無料で観察することができます。

参加生徒の感想
わたしは今回の冬季サイエンスキャンプで、人と考えを共有することの大切さを知りました。瑞浪市化石博物館へ行った際、歯の化石を見ながら、この歯はどういう仕組みなのか。どんな動物だったのか。などについて友達と話しながら回りました。友達と話し合う中で浮かんだ疑問は、自分の将来に役立つのではないかと思うものでした。その疑問は、友達と話し合っていなければ浮かび得ないものだと思います。友達とでなくても、人と自分の考えについて話すことはとても大切なことなのだと改めて気づかされました。今回浮かんだ疑問を自分の将来に活かすことができたらと思います。
自分は、全ての事象は繋がっていると感じました。
例えば大地が変動したり気温が変化することによって生物の分布が変わったり、化石や鉱物ができたりして、それらも新しい事象につながっていくのを感じました。
私は冬季サイエンスキャンプを通して体験することで興味を持つことに繋がるなと感じました。最初、私は恐竜について知らなかったけど、体験するうちにどんな種類がいるのか、どうして絶滅したか気になってもっと知りたいと思うようになりました。
これからも様々なことに挑戦し自分が1番興味があることを見つけられたらいいなと思いました。
僕は今回のサイエンスキャンプで、物事を深く考えることの大切さを学びました。例えば「化石の地下壕」に行った時にそこにどのような生態があったのかを考えるだけでなくそこでどのような地質の動きがあったのか、なぜこの地下壕が掘られたのかを考えることの重要さを考えることの必要性を感じました。今回得た経験を学校生活で活かしていけるようになれたらいいなと思いました。
普段は味わえないことが体験できて良かったです。
私はいつもでは味わえない新鮮さを感じました。
知らないことだらけで始まったサイエンスキャンプでしたが、帰る頃にはたくさんの新しいことを覚えられました。
事前に調べたものと、自分の目で見たものは見え方が違ってとても面白かったです。
私は今回参加したことで、興味が深まったことを実感することができました。私の好きなものが沢山あって見ていて飽きないものばかりでした。自分一人では博物館などに遠出することは滅多にしないことだと思うので行けてよかったです。家や学校で本を読んだりすることだけではなく、こうして出かけて実際に見てみることも大切だと感じました。
化石から当時の状況やその生物の生態がわかるのは凄くて、それを知れるのは面白いなと改めて感じました。全体の一部しか発見できなくても、そこから物事を深く知っていくということ、想像を膨らまして仮説を立てることを他のことにも生かしていきたいです。
冬季サイエンスキャンプ瑞浪編